訃報

庄野潤三さんがお亡くなりになったことを、朝日新聞で知る。

今年の夏にも『プールサイド小景静物』を読み返していましたし、好きな作家のひとりでした。

書架を見ると、表に出ているのは、新潮文庫の『貝がらと海の音』・『庭のつるばら』、講談社学芸文庫『インド綿の服』。

わたしや家族が一番繰り返して読んだのは『インド綿の服』かもしれない。寝台の脇の書見台にあって、足柄の長女やその家族の日常、晩年を迎えた作家のそれが重なって、なんとも言えない温かな暮らしぶりが、読むものを幸せな気分にしてくれました。

心よりご冥福をお祈りいたします。